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第一回渡愛ひとり旅 1998 TOP> 16 最終回おわりのことば
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01 はじめに (第1回)
02 出発→LONDON(第2〜7回)

03 アイルランド上陸(第8〜14回)
04 ダブリンへ(第15〜19回)
05 ATHLONE→GALWAY(第20〜23回)
06 CLIFDEN(第24回〜31回)
07 CLIFDEN2(第32回〜第40回)
08 アイリッシュ・ミュージック(第41回〜48回)
09 北へ(第49回〜54回)
10 KILCAR・CARA'S HOSTEL(第55回〜59回)

11 海こえて(第60回〜68回)

12 BRAY・イーリアンパイプス(第69回〜72回)
13 CLIFDEN ART FESTIVAL(第73回〜78回)
14 再びBRAY・イーリアンパイプス(第79回〜87回)
15 さらば、アイルランド(第88回〜94回)
16 最終回おわりのことば
 
 
 ■ 最終回 おわりのことば(2008) ■
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。これで1998年・僕のアイルランド一人旅日記は終わりです。

まずは、この旅で出会った人々、陰ながら支えてくれた人々に感謝します。ほんとうにありがとうございました。
はじめの方は「自分はひとりで旅をしているんだ」という気持ちが強かったと思います(実際日記の文面にもそんな気持ちが書いてありました)。しかし旅の途中からは、行く先々で仲間や友達がいた(できた)ので、「自分はひとりで旅しているんじゃない」と強く感じました。また、友達や親切にしてくれる人に出会わなかったら、約半年間も滞在せずにすぐに帰ってたかもしれません。
本当に、みんなに感謝です。
常宿をホステルにしていたことが、いつでも一人ではなかった理由の一つだと思います。B.B.やホテルに泊まっていたら、ここまで色々な人と話すことはできなかったでしょう。そして、世界各国の人々が集まるホステルの中で「自分は日本の代表かも」とも強く感じました。この後の日本への興味が湧く一つの理由でもありました。

後で考えると不思議なこともありました。
ホステル出会った人々に「俺と一緒にフランスにいかないか?」とか「オランダに行かない?」と誘われたのに、僕はついていかなかった。不思議なくらいアイルランドに固執していた。もしあそこでついて行ったら、今のアイルランドの興味はこんなに深いものではなかったかもしれません。なにかが、僕をアイルランドに引き留めていた。なんとなくそう感じます。

日記には日本に帰る理由をちゃんと書いていませんでした。いくつか理由がありますが、もっとも大きな理由は、
・アイルランドで自分の国でがんばる若者や、伝統文化にしっかり取り組む人々に出会え、「さて、自分はどうなんだ?」と考えたこと。自分は何ができるのか?僕は絵が描けるではないか。もう一度絵画を勉強して「自分は絵描きだ」と言える人物になろう、と考えたこと。
また、各地で泊まったユースホステルにて様々な国の人々と話した時、彼・彼女らにちゃんと日本のことを伝えられていただろうか?まさに離れてみて初めて見えてくる故郷、僕は自分の生まれた国のことをちゃんと知らなきゃいけないな、とも強く感じました。

日本に帰ってから実家横浜から関西(京都に2年、大阪7年)に移り住み、さまざまな仕事を転々とし、結婚もし、その間も絵・イラストをメインの活動するべく四苦八苦して10年も経ち、いまだに模索中ではあります。それでもアイルランドの経験が僕のイラストのメインテーマになっています。そこで見た風景、歩いた道、出会った人々、音楽など、あの雰囲気が少しでも出せたらと想い、努力しています。

アイルランドへは、2003年新婚旅行で再び訪れることができました。このときには懐かしい人にも再会できました。これらの人々にはいつでも会いに行きたいのですが、前会った時と変わっていない僕だとなんとなくイヤだなぁ、ちゃんと成長してから会いに行きたいなぁ、と思っていましたので、結婚を報告できたことは良かったと思ってます。
 
音楽に関しては、アイルランドで出会った伝統音楽演奏家たちに刺激を受け、音楽は仕事にせず熱心な趣味として続けています。関西に移り住んでから音楽を通して友人がたくさん増えました。関西圏のパブのセッションなどで時々演奏しています。仕事をしつつ、余暇に音楽を楽しむ。ひとりで楽しむのではなく皆とメロディをユニゾンであわせる、その音の揺らぎ、ノリを楽しむ。これがアイルランド伝統音楽の本当のあり方かな、と考えています。

この1998年の一人旅の経験が、絵やイラスト、音楽にも、いまの僕のすべての原動力になっていると、再編集して本当に強く感じました。古い記録なので現在のアイルランド旅の参考にはならないと思いますが、ひとりの若者の全力を傾けた旅の記録と、アイルランドの魅力として楽しんでいただけたなら、幸いに思います。

近々、第2回アイルランド旅行記(2003年・一週間だけですが)を描きたいと考えています。お楽しみに。

2008年 11月24日 


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