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第一回渡愛ひとり旅 1998 TOP> 04 ダブリンへ(第15〜19回)
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01 はじめに (第1回)
02 出発→LONDON(第2〜7回)

03 アイルランド上陸(第8〜14回)
04 ダブリンへ(第15〜19回)
05 ATHLONE→GALWAY(第20〜23回)
06 CLIFDEN(第24回〜31回)
07 CLIFDEN2(第32回〜第40回)

08 アイリッシュ・ミュージック(第41回〜48回)
09 北へ(第49回〜54回)
10 KILCAR・CARA'S HOSTEL(第55回〜59回)

11 海こえて(第60回〜68回)

12 BRAY・イーリアンパイプス(第69回〜72回)
13 CLIFDEN ART FESTIVAL(第73回〜78回)
14 再びBRAY・イーリアンパイプス(第79回〜87回)
15 さらば、アイルランド(第88回〜94回)
16 最終回おわりのことば
 

第15回第16回第17回第18回第19回

 ■第15回 17.June.1998/Dublin前編■
【6月17日前編  第15回】
ここまでとばしてます。僕は今列車の中。EnniscorthyからDublinへ。今日からはひとり旅です。またドキドキハラハラのはじまりはじまり…。つまりは、食・住の心配がなく閉鎖的か、開放的だけど金・食・宿・言葉(!)の心配をしなくちゃいけないか、どっちかだったのね。DUBLINでうまく宿が見つかるといいけど…。
ENNISCORTHYからDUBLIN(コノリー駅)までIR£10.50(約2,100円)。安いのやら高いのやらワカラン。列車の中はすべてボックスシートになっているが、荷物の多い僕はメチャメチャ邪魔になる。混んできたらどうしよう?
車両ごとに喫煙車/禁煙車が分かれている。向かいの人に「灰皿はどこ?」と尋ねたら、彼は下を指差して「床」と。下見たらいっぱい吸殻が落ちている。イイカゲンな国だなぁ。LONDONでもそうだった。
WICKLOW過ぎたら海が見えた。IRISH SEAですね。海以外なんにもないけど。で、列車の中にはケータリング・サービスもある。コーヒー65p(約130円)。切符を拝見にきた車掌が僕のギターみてビックリした。「どこにいく?」「DUBLIN」「どこから?」「ENNISCORTHY」といったら切符を切ってくれた。なんか怒ってたぞ。おこんなよ。
隣の人とすこししゃべった。巻きタバコを巻いていたので「作ってるんですね」とかなりマヌケなことを言ったら彼もしゃべり始めた。やっぱり話好きが多いIRISH。
彼は車の事故で下半身不随になってしまったらしい。左手がうまく動かせない、というところも見せてくれた。そして今晩の宿は?と聞かれたので、まだ決まってない、ついたら探す、といったら

「アイザックスがいい。アイザックス・ホステルをさがせ。駅からも近いし、旅の仲間が集まってくるところだ。」
と宿の情報を教えてくれた。ホステルに泊まろうとは考えていたがどのホステルに聞いてみようとか考えてなかった。情報をありがとう。まずそこに行ってみるよ。

第16回・6月17〜18日<後編>
へつづく…

 

 ■第16回 17〜18.June.1998/Dublin後編■
【6月17日後編  第16回】
 いやはや、DUBLIN初日からトバしすぎました。
コノリー駅降りたら雨が降り出し、重い荷物背負ってなんとか移動。車内で教えてもらったアイザックス・ホステルに聞いてみるも予約でいっぱい。「地球の歩き方」に載ってる「B.B.やホステルが多い」と書いてあるタルボットSt.にいって、「HOSTEL」の看板掲げているところに聞いてみるも満室(満ベット)ばっかり。とあるホステルで教えてもらったとこでやっと空ベットあり、IR£11(約2,200円)。ちょっと高いなぁ、しかたがないか。辿り着いたのは20:00だった。
とりあえずベットに行って荷物降ろして地図を広げてたら、向かいのベットの男の子が声かけてきた。JEFF君(23歳)from U.S.A.。彼と少ししゃべってからパブに行こうと僕が誘って飲みに出かけた。South Great George St.のスッゲーやかましいパブで、さっきまでバンドがやってたらしい。しまった、見逃した。とりあえずギネス飲んで、次の店行ってギネス飲んで、次はなんだかやかましいダンスミュージックパブに行ってギネス飲んで。さっきからJEFFは「アイリッシュのガールフレンドが欲しいんだよ」と言って女の子に声かけていってる。そういうのがニガテな俺はしゅーんとなっちゃって。JEFFは2人の女の子連れてきたんだけど、一人名前忘れちゃった、ゴメン。もう一人は手に名前かいてもらったんでわかる、DEIRDRE。先生なんだって。

「あんたシャイね!下向いてちゃダメ!日本語はなさないで!今日からあなたはIRISHになりなさい!」

と怒られた。先生だからなー。
パブが閉まる時間だからクラブ行こー!と。JEFFすまん、俺もう帰るは、といったらDEIRDRE先生が許さなかった。クラブでJEFFはもう一人女の子連れてきてDEIRDREがひとりぽっちで、先に帰ってしまった。JEFFはさらに盛り上がってるが、俺もう本当にしんどくなってトイレに閉じこもり、気がついたらAM3:00だった!
やべぇ、帰らなきゃ!って店を急いで出たがどっちが川だかわからない。夜中3時ダブリンの街をさ迷い歩いてようやくトリニティ・カレッジの正面を発見。さらに歩いてやっとホステルについたのはAM4:00!「どこいってたんだよ〜心配してたんだぞ〜」ってJEFFは笑ってたけど、他の人たちも起こしちゃって本当にゴメンナサイでした。

第17回・6月18日へつづく…

 

 ■第17回 18.June.1998/Dublin■
【6月18日 第17回】
今朝何度も何度もトイレに行った。結局起きたのはAM10:00。とりあえず恥ずかしいので宿を替えよう。小リュックとカートをザックに結び付けたら重いこと…。歩き回るのイヤになって近くのISSACC'S HOSTEL(アイザックス・ホステル)にする。二日酔いで気持ち悪かったが何とかこらえて12:30に部屋に荷物を入れた。ちなみに一晩IR£9.55(約1,900円)。まぁまぁでしょうか。
昼飯にスーパーマックとかいうアイルランド版ファーストフードで食べたけど、油ギトギトではきそうになる。なんでこうも油が多いの!? GPOとか観て、銀行で両替して、テレホンカード、飲物など買う。トリニティ・カレッジは明日観るとして、グラフトン・ストリートに行く。意外とバスカーズ(※1)は少なかった。ビートルズの「A DAY IN THE LIFE」をやってた子供たちがすごかった。そのバスキング根性、見習わなければ!

夜、ホステルの広場でイングランドから来ているJAMESとよくしゃべった。 「ジェームス・ボンドとおなじジェームスさ」だって。友達が日本人の女性と結婚したそうです。人懐っこいひとで僕も気持ち安らぐ。ありがとう。
「日本人が英語しゃべるの大変でしょう。私がコロンビアを旅したとき、スペイン語しゃべるのが大変だったよ。2ヶ月スペイン語だけだよ!?疲れたよ。君も疲れるでしょ?私は寝る前に毎日1時間、スペイン語の勉強をしたよ。」ふ〜ん、すごいなぁ。僕も勉強しなきゃ。ところでコロンビアってどんなとこ?
「危ないところさ!私はず〜っと周りを気にしながら歩いていたよ。旅行者もあんまりいないしね!」大変なところらしい。
 ドミトリー(※2)の部屋ではアイルランド人1人とU.S.A.からの若い子2人と一緒だった。自己紹介したときに自分のことを「イラストレーター」と言ったら、U.S.A.の子たちが「なんか描いてくれ」と言うのでフィドルを弾く女の子を描いてあげたけど、漫画の認識が違うであろうU.S.A.ではあの絵は大丈夫だったのだろうか?

ところで今日イヤなことがあった。
St.STEPHAN'S GREENという公園のベンチで休んでいたとき、知らないオジサンが横に座ってきて
「俺は故郷の南ウェールズに帰って仕事を探したいんだ。変えるにはロスレアに行ってフェリーに乗らなきゃいけないだろう?俺はいまIR£1しか持ってないんだ。助けると思って£1めぐんでくれないか?」
って言われて、よくもまぁそんなデタラメ言えるなぁと呆れてすぐその場を立ち去ってしまった。

第18回・6月19日へつづく…

※1 バスカーズ…大道芸人とでもいえばいいのか。街頭でパフォーマンスする人たちを「バスカーズ」とよぶ。音楽のみならず、パントマイム、寸劇、地面に絵を描く人、地面に詩を書く人、名物スプレーマンなど様々。

※2 ドミトリー…ホステルなどで一部屋に数人分(4人部屋や20人部屋など様々)のベッドがあり寝室を共にする宿泊部屋。隣のベッドの人とすぐに友達になれる。

   

 

 ■第18回 19.June.1998/Dublin■
【6月19日 第18回】
 さぁ、こまった。
朝になってから宿泊延長すればいいだろうと思ってたら、そうは問屋が卸さなかった!今晩予約いっぱいで「男女混合部屋でよかったらあいてるよ」だって。どんなジゴクが待っていることやら…。
なので午前中はユース・ホステル・リスト持って電話をかけまくる。どこもかしこもベッドがないと断られ、もうダメかな、これダメだったら明日他の町に移動しようかな、と思った最後の一件でBOOKINGできた。そこは一昨日他のホステルを紹介してくれたやさしい兄ちゃんがいるあのホステルだった。よくよく考えりゃ、土・日に予約入れておかないほうがバカでしょう。でも取れてよかったー。これからはちゃんと計画して宿BOOKINGしないとだめだな。
昼アイザックスに荷物を入れてからトリニティ・カレッジへ。人いっぱいだった。後ろから押されてゆっくり観れなかったぞ。写本が意外と小さいと思った。ってことはあのサイズであの細かさか。すごいなー。ショップでケルト模様の描き方本があった。今買ったら重たくなるから、帰国前に絶対買おう。
街をぶらぶらして、西に歩いてアイルランド近代美術館に行った。ここは元々ロイヤルホスピタル=退役軍人のための病院だったり、20世紀初めには処刑場(!)としても使われていたらしい。トリニティ・カレッジと違いここは人が全然いない。ゆっくり鑑賞することができた。とても面白かった。外はいい天気で中庭がきれい。ミュージアム・カフェがあって入ってみたかったけど、ちょっと怖気づいて入らなかった。
夜はアイザックスのPUBLIC HALLでジェームスやマンディ、オリバー(共にオーストラリアから)と一緒にいろいろしゃべった。ホステルっていろんな人としゃべれて面白い。

第19回・6月22日へつづく…

 

 ■第19回 22.June.1998/Drogheda日帰り■


【6月22日 第19回】 

昨夜はドミトリーだったのに一人だった。天国だぁ!でも今晩はグチャグチャだ。ベットもとたんに悪くなった。IR£8だからなぁ。これからはベッドをしっかり確保しとかないといけない。皆日本人みたいに行儀良い訳じゃない。「オレのベットだ!」という風に荷物ドカン!と置いておかないといないうちに取られてしまう。ズウズウしくいかないと。
(※この日の朝、ベットに大きなザックを置いて朝飯に出かけ、戻ってきたら僕の荷物は下に置かれ、取ったはずのベットに知らない若者が寝ていた。文句を言う気も失せたので他のベッドを探したが。)

今日はニューグレンジへ行って来た。サイクリングで野原を走り、とても面白かった。DOGHEDAの街までバス・エーランで1時間ぐらい。ボイン川沿いの貸し自転車屋で借りて、イザ出発!ちょっと大きめの自転車でこぐの大変だ。クッションのないシートはケツが痛い。最初にツーリスト・インフォメーションで聞いた道と違うかとおもって引き返したり迷ったり。自転車ですれ違ったおじさんに道を聞いた。すっごいズーズー英語で聞き取りづらかったが、僕が説明をわかってないと見えて何度も説明してくれる。こんなところでIRISHの親切に出会う。うれしいなぁ。
おじさんに教えてもらった道をしばらく走ってたら、雨。木陰で一時雨宿り。ボイン川って森とか川とかすごいきれいな所。こんなところで昔大きな戦争があったなんてなぁ。雨上がってからは太陽も顔を出し、本当に綺麗な田園風景がつづく。自転車借りて大正解!
ダラダラと長い上り坂を上ってゆくと、あった!あれがニューグレンジか!そう思って入口らしきところで聞いたら、「チケットはここにはないのよ、この道をこー行ってここの建物でチケット買いなさい。」と教えられる。そのとおりに行くとバスターミナル。なんだツアー組んでいくのか。中に入ってIR£3.15(約630円)払ったら「何語のガイドブックがいいですか?」って。なにそれ?と思ってみると英語、フランス語、ドイツ語の他に日本語もある!
出発の時間まで館内で資料見て、時間になったらパーティーを組んでバスで出発。なにやら博士みたいな人がでてきて説明してくれた。表の螺旋模様の石はたしかにあった。どうして「螺旋」なのだろう、といつも考えている。中の石室もスゴイ!日本の古墳もいろいろ見たけど、これはスゴかった。冬至になると朝日が真っ直ぐ石室の奥まで届くらしい。そして奥の石組み!螺旋状に石を組んであるんだって。またもや螺旋だ!なぜだ!?

帰りは一本道だった。最初にきた道で合ってたんだけど、回り道の方が綺麗だったし、迷ってみるのもいいもんだね。道々草刈っている人や塀組み立てている人などが「HI!」と声をかけてくれる。うれしいなぁ。帰りあと6km、ガンバレ!自転車帰してから懲りずに街のパブに行ったら、水曜日(明日)にライブだって。残念!

明日はATHLONEだ。どんな所だろう…?

第20回・6月23日
へつづく…

 
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