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第一回渡愛ひとり旅 1998 TOP> 03 アイルランド上陸(第8〜14回)
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01 はじめに (第1回)
02 出発→LONDON(第2〜7回)

03 アイルランド上陸(第8〜14回)
04 ダブリンへ(第15〜19回)
05 ATHLONE→GALWAY(第20〜23回)
06 CLIFDEN(第24回〜31回)
07 CLIFDEN2(第32回〜第40回)

08 アイリッシュ・ミュージック(第41回〜48回)
09 北へ(第49回〜54回)
10 KILCAR・CARA'S HOSTEL(第55回〜59回)

11 海こえて(第60回〜68回)

12 BRAY・イーリアンパイプス(第69回〜72回)
13 CLIFDEN ART FESTIVAL(第73回〜78回)
14 再びBRAY・イーリアンパイプス(第79回〜87回)
15 さらば、アイルランド(第88回〜94回)
16 最終回おわりのことば
 

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 ■第8回 2.June.1998/London→Rosslare ■
【6月2日 第8回】
さていよいよIRELANDへ向けて出発する日。さすがにANDYも今日は仕事を休むわけいかないので、合鍵を借りてから彼は出勤。
シャワー借りたり音楽聴いたりダラ〜っとしてから11:30頃ようやく街へ。何するってわけじゃないけどブラブラCHALING CROSSにある国立美術館にはいる。入口で気持ちだけ払って見放題。太っ腹だねぇ。堪能いたしました。それから前の広場で一服してからMARKETの方へ。吹き抜けの広場で弦楽四重奏やってた。僕は少し見ていたにもかかわらずお金を入れずに立ち去ってしまった。反省しなければならない。それから前にANDYに教えてもらった一角を探して歩く歩く。でも見つからず露店からTシャツ£5(¥1,500)買う。きれいなTシャツが一枚もなかったから。
アパートに戻ってあわただしく荷造り。ANDYに電話してCAMDEN ROADのパブで待ち合わせ。昨日来るはずだったJIMも一緒にいた。ANDYにカギを返して礼を言って、さていよいよVICTORIA STATIONへ。またひとりぼっち。
乗る場所分からんし、バスに荷物入れようとしたら「勝手に入れるな」って怒られるし、また緊張してる。バスの座席は決まってないみたい。一番前に乗ってみた。隣の白髪のおじさまはいつもにこにこ。運転手は走り始めたら朗々と歌を歌いながらいい気分。続きはあとで。

ただただ広い草原をバスは走る。
疲れてるやら緊張してるやらでバスの中で寝てても疲れとれてない。飛行機みたいにいいシートじゃないから腰すご〜く痛い。寝汗をかいてこまる。他の人は平気みたい。俺だけかな、こんなに苦しんでるの?バスの中には若い人も老人も。休憩のときにバス一個しかないのにさまよってるおばあさんがいておかしかった。途中乗車ポイントでいるはずの客がいなかったので運転手が文句たらたらベラベラしゃべりだす。僕の隣のおじさまとしゃべってる。俳優にでもしたらいいようなとってもよく通る声。抑揚がついたしゃべり方で、この人がアイリッシュなのかな?

さてウェールズのPEMBROKE DOCK。ボーディングパスをもらってチェックへ。麻薬犬がいてビックリしたら「こっちこい」とPOLICEにとめられパスポート調べで5分待たされる。俺なにもしてないって、ビックリしただけだって!やっとバスに戻って運転手のひとこと。「さて、全員揃ったな…数人薬を持ってたらしいが。」…ってコラー!
そしてフェリーへ。まずパブに行って飲む!あたりまえでしょ!ギネス£1.67=¥334。ロンドンより全然安い!ん〜なぜだかイギリスで飲むより美味しい気がする。
そういえばあのCOACH(バス)の中には東洋人俺一人、イスラム圏らしきが2人、大きなザックを背負った女の子1人。目立った外国人はそれくらいかな。ギターを持った人が俺のほかに2人。バスキングにでも行くのかな?たくさんいるおじいさん、おばあさんは里帰りか?隣に座ったおじさんは一人旅立って言ってた。ひとり旅の人はたくさんいるようだけど日本人はめずらしのかな、運転手は「日本人がどーだのこーだの…」としゃべってた。いままでこの航路でアイルランドに行った日本人ってどれくらいいるのだろう?これは大変な冒険になってきた気がする。3:10AMフェリー動き出す。ROSSLARE港につくのは朝7:00の予定。そのままWEXFORDに行ったらPETERが迎えにきてくれることになっている。

フェリーの中でギネス2杯飲んだら、疲れてるせいもあって酔いまわる。現在4:15AM。もう寝ないと朝6:30に起きられない。フェリーの中で英国£からアイリッシュ£(以下IR£)に両替。あんまりレートは変わらない様子。2杯目のギネス飲んでる最中に、あぁ、俺本当にIRELANDに行くんだなぁ、って実感湧いてくる。いったいどういう展開になるんだろう?6ヶ月のビザがあるから大丈夫なものの、いまだに言葉が聞き取れず心配。もう寝ないとだめだな。でもドキドキしてきた…!


第9回・6月3日へつづく…

 

 ■第9回 3.June.1998/Enniscorthy Co.Wexford ■
【6月3日 第9回】
そして2時間ぐらい寝たでしょうか…?目がさめたら6時。
 昨日書かなかったけど、フェリーの乗客は最上階の寝室がいっぱいになるとレストランやパブやその辺の通路にゴロゴロ寝始める。僕はパブのソファーで寝ました。起きたら寒いこと!外が明るくなってきた。船首のレストランにてコーヒー買って外眺めたら、陸だ!ROSSLARE港が見える!すげーオレ本当にアイルランド来ちゃった!再びバスに乗って陸を走る。
 何もない、ただ広い草原、牛いる羊いる、B.B.ある。イギリスと変わらないかと思ったら一気に田舎になった。イナカすぎ。
 WEXFORDは近かった。荷物を降ろしたらPETER参上!こーいう人だったのか、ナイスミドルなおじさま。オレってよくわかったね、って東洋人おれひとりだけだっつーの!ROSIEも参上。そして車に乗って彼らの家へ。ENNISCORTHYはけっこう距離ある。町並みや城跡がいちいちカッコイイ。そしてENNICORTHY街の中心部から少し丘を上って彼らの家へ。なんだけっこー普通じゃん、ってウソウソ、とってもきれいなお家。コーヒーもらってシャワー浴びて、とりあえずひと休み。

 起きたら昼過ぎだった。昼ご飯いただいたらPETERとROSIEと一緒にドライブへ。川向の丘に行く。いわゆる古戦場で当時の戦闘図まである。名前はVINEGAR HILL。当時イギリス植民地だったアイルランドでの、アイルランド独立を目指す反乱軍の最後の拠点だったようだ。
  もちろんアイルランドの中にはイングランドとの戦争の歴史の地がたくさんある。ここWEXFORDの人たちは、1798年、この丘で何があったかを忘れないために、1998年3月記念センターまで作った。「1798〜1998センター」。おぉ、そういや今年で200年なのか!(※)

第10回・6月5日へつづく…

※1798年VINEGAR HILLの戦い…ウルフ・トーンによる在愛イギリス軍への反乱で、ここCo.WexfordのEnniscorthy郊外の小高い丘Vinegar Hillで激しい戦い「Attack on Enniscorthy」があり、反乱軍は大敗した。この戦いを機にアイルランド反乱軍は後退していったそうです。不勉強であんまり詳しく書けません、ごめんなさい。下記ご参照ください。
http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Vinegar_Hill

WexfordとEnniscorthyの街には記念の銅像「PIKE MAN」(パイク・マン)が立っている。アイルランド音楽ファンにはフランク・ハート&ドーナル・ラニーの「1798 - THE FIRST YEAR OF LIBERTY」が有名。ジャケットの PIKE MANはWexfordのもの。昨年カンヌ映画祭パルムドール受賞のアイルランド映画でも唄われた唄「The Wind That Shakes the Barley」も収録されている。
http://celticgrooves.homestead.com/CG_Harte_Frank_1798.html

 

 ■第10回 5.June.1998/Enniscorthy■
【6月5日 第10回】
 近所の体育館でトラデッショナル・ダンスのコンテストがやっているというので、PETER、ROSIEと一緒に観にいく。コスチュームがスゴイ!コレ絶対妖精がごモチーフだよ、背中に羽まであるし…。
 このコンテストは小・中学生(ジュニアっていってたけど)ENNISCORTHY地方大会らしく、勝てばWEXFORD大会、全国大会と出場できるそう。表彰式は皆涙ナミダの感動モノでした。

第11回・6月7日へつづく…


※私はこの時点ではまだモダンステップダンスしか知らなかったので、コレが伝統的なダンスのやり方と正式なコスチュームだと思っていた。他にもオールドスタイル・ステップダンス、アイルランド各地で大流行のセットダンス、ケーリーダンスなどなど、この国にはたくさんのダンスがあることを知るのは、もっとずっと後になってからでした。(2007.9.2)

 

 ■第11回 7.June.1998/Enniscorthy■
【6月7日 第11回】
今日は長男のSEAN(※)と2人でパブに行った。彼と初めてたくさんしゃべった。もちろん僕の英語ができる限りだけど。彼はたくさん質問してくれた。やっぱりしゃべりたがっていた様子。さすが話好きIRISHの国。僕がもっと英語はなせたらよかったのになぁ…。でも不思議とPETER、ROSIEよりはしゃべりやすい。年近いから?(と思っていたら彼は40歳だった)。アメリカの電気製品会社に勤めてたらしいんだけど、会社つぶれて今は職なしらしい。
そして彼はギタリストだった!自分の部屋でS.R.V.(ブルースギターのスティービー・レイ・ボーガン)弾きまくり!完コピしてた。アイリッシュってもともと速弾きの人たちみたい。だってフィドルだってすごい速弾きじゃん!?SOULが熱い人たちなのね。あぁヤバイ、オレ速弾きニガテ…。
そんな彼が僕のギターを聴いて「そんなんじゃダメだ、あっしー。アイルランドに来たんだからこういうのやれよ」といってレコードを聞かせてくれた。「ポール・ブレディ」と「アンディー・アーバイン」。名前だけは聞いたことあったけど、聞くのは初めて。なにこれ、ギター?「ブズーキも使っている」とSEAN。なにブズーキって…?写真に写ってるのはマンドリン?とにかくスゴイ演奏。僕が「スゴイ…」といったら「BEST!」と言っていた。ジャケット憶えておこう。
あと彼の発言で面白かったこと。
HURLINGハーリングという代表的なゲーリック・スポーツをTVで見ていて、僕が「どんなルールなの?」と聞いたら、「ハーリーを使って相手のゴールに玉を入れる。あとは人を殺さなきゃなにやってもいいんだ。」そんなバカな。試合中よく「FUCK!」って叫んでたが、後でROSIEが「あっしーが変な言葉覚えちゃうでしょ!」と言っていた。
あとはパブで話しているとき。アイルランドには自動販売機をあんまり見ないね。日本にはジュースやビールやタバコとか自動販売機だらけだよ、って言ったら。「そんなもんこの国においてたら、朝までに一つ残らず破壊されてるよ!」

※SEAN…ショーンと読む。本当はAの上に点がつく。PETER、ROSIEの家の長男。本文中に書いたとおり当時は仕事に就けず家でブラブラしてた。いつもムスっとしていてあんまり口きいてもらえないかと思ったら、けっこう楽しい人でした。

第12回・6月10日へつづく…

 

 ■第12回 10.June.1998/Enniscorthy■
【6月10日 第12回】 
気がついたら、ワールドカップ・フランス大会は今日開幕だった。今年は日本が初出場!どこまでいけるでしょうか…!?
ところでPETERお父さんは昼間仕事に行く必要がないので(郵便局員だったが定年になった)すごくヒマそうだ。僕が相手できればいいんだけどドライブに行くとかしか能がなくて…。彼はゴルフが好きだが僕はゴルフ嫌いだし…。ワールドカップ開幕で、スコットランドVSブラジルは2-1でブラジル、PETERお父さん機嫌悪し。実は昨日ラグビーでアイルランドVSギリシャだったが、アイルランドボロ負け…。もし日曜のハーリングでWEXFORDが負けたら…オソロシヤ。

第13回・6月11日へつづく…

 

 ■第13回 11.June.1998/Enniscorthy■
【6月11日 第13回】  

やっと仕事のメドがついてくる(※)。日曜には完成、月曜に郵便局へ。やっと解放される!そうしたらDUBLINだ!(の予定)
夜PETERとROSIEとPUBに行く。TRADITIONAL MUSICがやっている予定だったが、本日ハイネケン・プロモーションということで音楽はナシ。来店者にはスクラッチカードが渡され、賭け事大好きPETERがハイネケンCAPを獲得!よかったねー。
パブ出たところの向かいに楽器屋さんがあった。ティンホイッスル発見、IR£3.99(約798円)。買っていこうかなー?バウロンは高いなぁ。

第14回・6月14日へつづく…

※PETER、ROSIEの家で日本でいただいた紙芝居を描く仕事をしていました。つまり出発までに終わらせられなくてアイルランドまで持ってきちゃった、と言う訳です。


 

 ■第14回 14.June.1998/Enniscorthy■
【6月14日 第14回】  

 これはビックリinアイルランドのコーナー!題して「EIRE(※)で夏目マサコ+堺マサアキを観た!」
 とくれば、これはもう「西遊記」しかないでしょう!ゴダイゴの唄もちゃんとあります!みんな英語で話してました(吹き替えだよ。あたりまえか)。三蔵法師はゴクウのことを「Monkey!」とよんでました。ってそのままやん!
 私は口ずさむ…「Monkey Magic,Monkey Magic…」

第15回・6月17日へつづく…

※EIRE…アイルランド語でアイルランドの意味

 
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