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第一回渡愛ひとり旅 1998 TOP> 14 再びBRAY・イーリアンパイプス(第79回〜87回)
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01 はじめに (第1回)
02 出発→LONDON(第2〜7回)

03 アイルランド上陸(第8〜14回)
04 ダブリンへ(第15〜19回)
05 ATHLONE→GALWAY(第20〜23回)
06 CLIFDEN(第24回〜31回)
07 CLIFDEN2(第32回〜第40回)
08 アイリッシュ・ミュージック(第41回〜48回)
09 北へ(第49回〜54回)
10 KILCAR・CARA'S HOSTEL(第55回〜59回)

11 海こえて(第60回〜68回)

12 BRAY・イーリアンパイプス(第69回〜72回)
13 CLIFDEN ART FESTIVAL(第73回〜78回)
14 再びBRAY・イーリアンパイプス(第79回〜87回)
15 さらば、アイルランド(第88回〜94回)
16 最終回おわりのことば
 


第79回第80回第81回第82回第83回第84回第85回第86回第87回

 ■第79回 28,29 .September 1998/Bray■
【9月28,29日 第79回】
さて次の日。アキは学校(ダブリンの語学学校)に行っていて、僕はパイプできてるかな?と思ってディジーの工房に行ってみるがまだできてないと。作業を眺めていたら若い職人デイビッドが、パイプのリード作ってるからその作業を見学した。次の日には実際に作らせてもらえることになった。
実は、ちゃんと聞かなかった僕も悪いのだが、どうみてもパイプらしきものを工房で作っている様子はない。答えは次の日に出ることに。

翌火曜日、ナツコさんの引っ越しをお手伝い。一緒に新居についていく。ブレイから84のバスに乗ってスティローガンというところらしい。ナショナルロード(N11)沿いのとってもきれいな住宅街。フラットだが住人の一人はミュージシャンだから気にせずパイプの練習ができるとのこと。しっかりシャワーも借りてきました(※)。
さて1時間ぐらいバスに待たされて、走ってディジーの工房にいったら、やっぱり今日もできてないと。どころか今週、来週でかなりの数のフルートを仕上げなければいけないらしく、まだ始めてもないと!?
そりゃねーよぉ、と思っても仕方がない。こうなりゃ意地でも2週間待ってやる!そしてこの日からデイビッドにリード作りを習い始める。

※しっかりシャワーも借りてきました … 
僕が居候していたミックの家にはシャワーがなかった。なので洗面所で頭洗ったりタオルで体拭いたりはしていたものの、以降3週間ほどフロに入れませんでした。まぁ若かったからね。

第80回・9月30日〜10月4日へつづく…

 

 ■第80回 30.Sep〜4.Oct 1998/Bray■
【9月30〜10月4日 第80回】
リード作りがなかなかムズカシイ!木曜日に1個完成したが、ケッカンだらけで使い物にならないと…。いろいろこのヤマボノート(※)に記録しておいたのでそちらも参照のこと。
アキは始まった学校でクラスが上にあがったらしく、、ついていくのが大変らしい。彼が家に帰ってきたら「日本語しゃべらないで!英語だけ!」って怒られた。よく考えたら彼は受験生だもんね。12月に試験があるらしい。毎日真剣な顔で勉強してる。PM10時ぐらいに一度仮眠して、0時に起きて4〜5時ぐらいまで勉強してるらしい。スゴイな。でも、一番大変なのは、通学。ダブリンに朝9:30に着くために早起きしなければいけない。ある日は完全に寝過して、「や〜めた!今日ガッコーいくのや〜めた!」と気楽になっていた。そういう日もたまにはないとね。それに彼曰く、学校には噂のKさんがいるらしく、毎日頭抱えてるらしい。最初は学校にフルート持っていって(彼はディジーにプラスチック・フルートを作ってもらった)練習しようと言っていたが、Kさんが寄ってきて「一緒に練習しよ」と言われるのがイヤで、最近は持っていってない。最初の1週間はそんな感じですごいナーバスになって「クラス1個落そうかな」と言ってた彼も、2週目からは慣れてきて大丈夫な様子。
土曜日、近所の子供たちに呼ばれて外に出たら、数人の子供たちに一気に囲まれてしまった。最初のうちは楽しく遊んでいたが、そのうち悪さするようになってもう大変!石投げだしたり、人の庭から勝手になにか持ってくるし、ヤマボノート取られるし!ミックが英語で叱ったからなんとか諦めたけど。ピッチャーという女の子はよく慣れて最後には投げキスまでしてったぞ!
その日以来オレが外に出るたびに子供たちが大騒ぎして大変さ。また子供たちと仲良くなってしまった。

※ヤマボノート …
アイデアやクロッキーやメモを描いておくためのミニノート。学生時代から尻ポケットに必ず入れている(今も)。「ヤマボ」は学生時代の僕のあだ名。

第81回・10月5〜7日へつづく…

ディジーの工房で教わったパイプのリード作りを、その場でメモしたもの。


 

 ■第81回 5.Oct〜7.Oct 1998/Bray■
【10月5〜7日 第81回】
月曜日、ダブリンのパブにて僕にパイプを教えてくれたジョン先生やハウカらのセッションがあるという情報を入手、夜ナターシャ・ナツコさんとロブと3人で見に行くが、誰もそのパブの場所を知らず、迷って違うパブで飲んでしまった。帰りのバスの時間を逃してしまい、結局3人でタクシーに乗ってスティローガンのナツコ&ロブの愛の巣(家)で泊まることに。2人に会ってからず〜っと思ってたが、2人は完全にデキちゃってるらしく、家に泊まらせてもらったはいいが、な〜んかすごいラブラブ・モード…。早く逃げたい気持ちでいっぱい。結局朝めしはもらったがシャワーは断って、昼前にはブレイに帰ってきた。あーフロ逃したなー…。
まーそんなこんなで、昼は練習したりブレイ周辺を散歩したり、夜はだらだら…、いや、ディジーの所にリード作りしに毎日通ってたな。火曜日くらいから、僕のパイプらしき物が工房にお目見えする。これがオレのかな?


そうそう、クリフデンからブレイに戻ってきて、ひと悶着あったんだ。
アキとナツコさんから噂は聞いていたが、僕がひとりで家にいる時にその人は現れた。その人はミックの従妹と名乗る女性GATI(ガティ)。見るからにヤバそうな雰囲気ムンムン。酒の匂いもムンムン。
ガティ「ミックは?」
あっしー「いないよ。外に行った。」
ガティ「タバコ持ってる?」
これはうわさ通りだと、と思って「…イヤ、持ってない。」
と言ったら、チッと舌打ちしてしばらくジロジロみて、「またくる」と言って出て行った。 しかしそのあとミックと一緒に帰ってきた。
ミックと一緒にいるとニコニコしているが、 そのうち酒を飲み始めてカラミはじめた。何言ってるのかさっぱりわからないアクセントで文句を言い始める。とにかくよく「FUCK!」と言っていた。これが「フォック!」に聞こえるのだ。
結局泊って行ったらしくて次の日帰ったけど、それからちょくちょく来るようになって、あとには毎日来るようになった。ボクもアキあんまり顔合わせたくない。ミックもやさしく接しているが「イイヤツなんだけど、トラブルだから…」と言っていた。手焼いてるのかも。

ところが…。アキがパブのセッションに行っていていたある夜。ガティとミックは2階の部屋でテレビでも観ているよう。僕は1階にいたら、ノックする音。でたら女性一人と男性二人が、なんだか物々しい雰囲気で立っている。
「このくらいの、小さな女性ここに来てない?」
ちょっとヤバそうだぞ…と思ってとっさに、
「いや、昼間はいたけど今はどうかな?ミックの部屋は鍵がかかっていてわからないよ。」と返答。
一人の男はものすごい興奮しているらしく
「俺の妹がここにいるはずだ!」
と詰め寄ってくる。2階のミックの部屋を確認するふりをして、彼らにいない、と伝えると帰って行った。
 が、またノック。今度はさっきの男性二人だけでスゲー怒ってる!
「ここにいるはずだ!中に入れて確認させろ!!」
ってスゲーケンマクでまくしたてる。中に入れるわけはいかないので、ミック許可なしには入れさせるわけにはいかない!とかなんとかなだめて帰らせた。
帰ったあとはホ〜ッってカンジ。だって何しだすかわからん勢いだったもんなぁ…。

次の日、ミックは「もう来るなよ」と言って帰らせたらしい。
この週は彼女のネタで持ちきりだったなぁ…。

第82回・10月8日へつづく…

 

 ■第82回 8. Oct 1998/Bray■

【10月8日 第82回】
8日、朝からよく晴れたので部屋の掃除して、洗濯もしてスッキリ。アイルランドでは掃除がボクの得意技になっているなぁ。
昼ぐらいにユカさんから電話。ブラックロックに帰ってきて、ブレイに遊びに行きたい、と。それなら、とナターシャ・ナツコさんも呼んで夜は久しぶりの大集合することに決まった。それまでボクとユカさんはディジーの工房へ。ボクは相変わらずリード作りに勤しむ。帰ったらロブが飯を作ってくれていて、ごちそうになる。ロブ、ありがとー。
その後は、お決まりのセッション!ボクとアキは、前々から仕込んでおいたセットをみんなの前で披露する。すごいウケた。おれらもスンゴイ気持ち良く演奏できて、これからも2人でセット作ろう、と誓い合った。
 
9時ぐらいからセッションをやっているブレイのパブ、メイフェアに行く。すごい人数。セッションを見る場所を確保するのが大変。結局みんなバラバラの所で見ていたらしいけど、ボクは2階席に上がる階段の途中から見れた。上から見れたのはよかった。バンジョープレーヤーのトミーがスゲーかっこよかった!パイプはいなかったのは残念だけど、すごい白熱したセッションだった。いつまでもつづくチューンに、パブの中で見ているみんな緊張して興奮しているカンジ。パブ全体が白熱してた。いいセッションだった。
その日はみんな、バスの時間もあるので早めに帰りました。

そういえばミックはいつの間にかいなくなってたな。彼は大勢でワイワイやるのは苦手なのかもしれない。ごめんね、ミック。



第83回・10月9〜12日へつづく…

 

 ■第83回 9.Oct 〜 12.Oct 1998/Bray■

【10月9〜12日 第83回】
9〜12日まで、特になし。昼間散歩したり、絵描いたり、笛の練習したり、夕方ディジーの工房にてリード作りの勉強したり。よく海沿いの道から南へ、ブレイヘッド(岬)の方まで歩いて、草むらに腰かけてイメージを湧かせたり、考え事したり。

僕のパイプができたら、日本に帰ろうかと思ってる。所持金が尽きてきたのもあるけど、一番の理由は「ボクは僕の国、日本に帰って、自分の仕事、絵を描かなくちゃ」と思ったからかなぁ。
アイルランド民謡を演奏するここの人たちに会って、彼らの伝統音楽に対する熱い気持ちにふれて、「彼らは自分の国の文化を誇りを持ってやっている。じゃあ、僕はどうだ?」と思うようになった。それに音楽を本業にすることなく、仕事を持ち、しかし音楽も真剣に取り組む姿は、実は僕にはすごいショックだったのだ。こんなに演奏すごいのに、音楽本業にしないの?と聞いたら、

「音楽じゃ飯食えないよ。これは仕事でやらないから楽しいんだ。」

この言葉はガツ〜ンときたな。僕なんか「あわよくば」なんて考えてたのが恥ずかしくてしょうがない。
僕は、絵が描けるんだ。音楽よりも絵の方がいろいろな表現に対応できそう。仕事としてできるんじゃないのか。

日本に帰ろう。僕は日本に帰って、地に足を着いたことしなきゃ。

これからもアイルランド伝統音楽は続けていくけど、仕事ではなく楽しみとして。だけど真剣に取り組んでゆく。
絵がどうやって仕事になるか、まだわからないけど、僕の表現を描いていってみよう。この日記もちゃんと絵をつけてみればいいんだし。
高山の家は引き払っちゃったから、とりあえず横浜に帰るか。いま帰って(高山)米穀の冬の仕事(※)に間に合うだろうから、ひと冬でできるだけ資金をためればいいかな。

夕方のリード作りに工房に通っていたら、そろそろパイプらしきものが出てき始めた。あれ、オレのかな?


※(高山)米穀の冬の仕事…
アイルランドに来る前まで、夏季・冬季だけの食糧配達のバイトをしていた。夏はキャンプ場や民宿、冬はスキー場などに2tトラックで食料を届ける仕事。体力仕事でキツイこともあるが、峠を越えて村々に配って回る間の、飛騨の自然を存分に満喫できた。

第84回・10月13日へつづく…

 

 ■第84回 13. Oct 1998/Bray■

【10月13日 第84回】
約束の13日(火)、昨日「昼過ぎに来い」とのディジーの知らせあり。
その前にボクはキャセ(パシフィック)の帰り便をブッキングすべく電話。英語の電話ってだけでコワイのに、予約を取る重要な電話…。こっちの要件は伝わったようだけど、電話の係りの人の質問などがうまく聴きとれず、何度も何度も聞きなおした。ブッキング担当の人もホント親切な人で、辛抱強く、細かく、丁寧に説明してくれた。もう駄目、カードが切れそう!ってというところでやっと全要件が伝えられた。
なんとかヒコーキとれたみたい。と、信じたい…。

PM3:00頃、ディジー宅へ。ありました!オレのパイプ!ムチャクチャかっこいい!
ボクはもちろん弾けないので、工房の人に弾いてもらう。音もいい!カッコイイ!すっげー、オレのだぜコレ!? 練習しなきゃ! で、潤さんの古いバッグは使わずに、でも彼のドローン用の根っこだけ一緒にくれた。
本来IR£450のところを、なんと!IR£300!!(※)ホント!?
すっげーありがとう、ディジー! この日ははやく触りたいので練習しに帰ったけど、そんなオレにディジーが言う。
「帰る前に、もう一階リード作りに来いよ!」

※本来IR£450のところを、なんと!IR£300・・・
このときディジーはフルートの大量注文を抱えていたのに、まだかな、まだかな〜?と毎日オレが覗きに来るもんだから、うっとうしい、早く作ってしまえ!ってカンジだったのかも。以前の在庫ストックやバッグも中古で、超高速で仕上げてくれた。しかしそこはプロ、音にかかわる造りはさすがの出来栄え。数年後バッグに空気漏れがみつかるも、他は問題なし。特にチャンターは他のパイパーからも「いいチャンターだね」と言ってもらえる程のものでした。
もちろん今でも使っています。

第85回・10月14日へつづく…

 

 ■第85回 14. Oct 1998/Bray■

【10月14日 第85回】
オレがパイプをゲットしたとのウワサを聴きつけ(ウソ。自分で言った)、ナツコさんとロブ参上。二人でオレのパイプをさわってて、このリード好きじゃないとかナントカカントカ…うるさーい!で、オレが来週日本に帰るといったらイヤミの一つや二つはでてくる。ちなみにロブはオレよりも1日はやくアラスカに帰るんだって。
近所の子供たちとも相変わらず仲良し?で、よく集団でからかわれる…。オレいじめられてるのか?

忘れてました。月曜日(12日)昼過ぎからダブリンに出て土産を買いに行きました。けっこう早足でいろんな所をまわり、トリニティカレッジでケルト文様の書き方の本買って、トリニティの裏通りでカセットテープ、ホイッスル、シールやTシャツ等を買って…。さて中途半端に時間があったが、買ったものを家に置くため一度ブレイに帰った。なぜなら今晩ダブリンのパブにて、僕のパイプの先生、ジョン先生やバウロンの師匠、ハウカなどが集まるセッションがある、と聞いていたから。
ブレイに帰ったらナツコさんから電話があったらしい(たぶんセッションのことだろう)。こっちからかけなおすと留守電だった。しょうがないので一人で見に行く。といっても出発した時間が遅くて、あと30分しか見れない!
先日は迷ったが、今度は間違えずにそのパブに直行。いたいた、ジョン先生がパイプ、イーファがホイッスル・フルートをやっていて、アキルで会ったブズーキ奏者、フィドル奏者もいた。その他フィドルやフルートなど多数。30分の貴重な時間を大切に、とスミティック(僕の大好きなエール)を頼んで椅子を陣取ってじっくり聴きいる。
イーファが僕に「今日はハウカは来ない。来週なら来る」と教えてくれたが、「オレ来週日本に帰るんだよ」と伝えた。
 「あぁ、そりゃ残念。明日NPU(※)でナツコに会うから伝えとくわ」と。
イーファ、親切にありがとう。
ジョン先生とも少ししゃべれたが「潤さんがナントカカントカ…」と店内がうるさくて何言ってるかわからんかった。
このパブも良さそうなところ。次回来るときまで覚えておこう。
しかし最終バスの時間は近づいてくる。最後に4曲のスッゲーかっこいいメドレー(セット)を聞いて、ちょっとしかいなくてバカみたいだから、誰にも何も言わずに出てきちゃった。イーファ、ジョン先生ごめんね。あとイーファのとなりでフィドル弾いてた女の子は、しゃべればすぐに仲良くなれそうだったけど…チョット残念。

※NPU…Na Piobairi Uilleann(ナ・ピーバリー・イーリアン)
ダブリンが本拠地のイーリアン・パイプス協会。全世界に500人超の会員がいる。コンサートやレッスン、サマースクールの開催、パイプス製作者の紹介やCD、DVD、教則書籍などなど、イーリアン・パイプスについてのあらゆる情報がここに集まっています。
ホームページもすんごい情報量。ぜひのぞいてみてください。
http://www.pipers.ie/
現在の会長は、ロビー・ハノン氏(2008年現在)。  

第86回・10月15,16日へつづく…

 

 ■第86回 15,16. Oct 1998/Bray■

【10月15,16日 第86回】
特に何かした、という記憶がない。昼間パイプの練習をして、6時頃からディジーの工房に出かけリード作りという毎日だったな。家の中を掃除したり。そういえば今週のはじめの方に台所の窓をそっくり取り換える作業をミックとロブがやっていた。台所が明るくなってよくなった。テレビの後ろの窓もやる予定らしいが、また時間があるときに、だって。結局ぼくがこの家にいる間はやらなかった。
ジェイ(ミックのガールフレンドの犬)も金・土とよく遊びに来ていた。老犬だけど可愛い。ホント、こっちの犬は良く人に慣れている。感心しますね。

写真上は、ミックの家・玄関から。テラスハウスみたいに隣の家とくっついてる。Wolftone Squareはこういうアパートみたいのがいっぱい建ってる住宅地なのです。ディジーの家も、基本同じ形。庭に工房の掘っ建て小屋が建っている。

写真下は、ミックの家・リビング。テレビを観たり、みんなでしゃべるところ。いつもみんなここに集まってました。セッションや来客もここで。セントラルヒーティングなどこの家にはないので寒い時は暖炉をたいてました。
アイルランドの家って基本石を積んでできているせいか、昼間も家が温まらない。ひんやりした空気が一日中漂っているカンジ。しかも日本のように「ガバッ!」と開けられない窓が多いので、空気の入れ替えもままならない。しかしそのヒンヤリした空気の中、一方向の窓から差し込むわずかな光に部屋が照らされる、あの独特な雰囲気は、僕は大好きです。

第87回・10月17日へつづく…

 

 ■第87回 17. Oct 1998/Bray■

【10月13日 第84回】
今日はブレイにいる最後の日だよん。
そういえば前日(16日)午後からダブリンに出て買い物をした。ベルトが今にもきれそうなほどボロボロだったのでベルト(IR£6.99)と、ディビー・スピラーンのイーリアンパイプスの教則本。まぁそんなもんです。
17日、午後3時ごろからディジーの工房に行き、昨日出来上がったリードを試してみたかったのだが、ディジーが僕が来る前にすでに調節していてくれて、テストも済ませていてくれた。しかもそれをくれた!わぁ、ありがとう!忙しかったらしくて髭伸ばしっぱなし。写真も撮ってきてしまいました。別れる時には「日本でもリード作りしろよ!」と握手もしてもらいました。なんか感動した。その後近所のセントラに買い物に行く途中(工房の)ディビットにも会った。また握手して「またな!」って。このかるいノリは好き。
 
夜はアキと最後の飲み会に行った。出発したのが遅かったので、駅の近くのパブでパイント二杯飲んだだけだけ。でもいっぱいいっぱいしゃべったな。本当に彼はバイタリティーのあるすばらしい子だ。きっと彼なら成功する。大丈夫だ。
なんかこの前にはデッカイ傘を買ってきて
「いいでしょう、これ?日本帰ったら彼女とアイアイ傘するんすよ。それ以外目的ないっしょ!?」
だって。やっぱりペースやしゃべり方が高校生、だってまだ19歳。おかげでオジサンいっぱいパワーをもらったよ。ありがとう!!
 
2階のベッドにはいってからも、夜中までず〜っとしゃべってた。

第88回・10月18日へつづく…

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