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第一回渡愛ひとり旅 1998 TOP> 02 出発→LONDON(第2〜7回)
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01 はじめに (第1回)
02 出発→LONDON(第2〜7回)
03 アイルランド上陸(第8〜14回)
04 ダブリンへ(第15〜19回)
05 ATHLONE→GALWAY(第20〜23回)
06 CLIFDEN(第24回〜31回)
07 CLIFDEN2(第32回〜第40回)

08 アイリッシュ・ミュージック(第41回〜48回)
09 北へ(第49回〜54回)
10 KILCAR・CARA'S HOSTEL(第55回〜59回)

11 海こえて(第60回〜68回)

12 BRAY・イーリアンパイプス(第69回〜72回)
13 CLIFDEN ART FESTIVAL(第73回〜78回)
14 再びBRAY・イーリアンパイプス(第79回〜87回)
15 さらば、アイルランド(第88回〜94回)
16 最終回おわりのことば
 

第2回第3回第4回第5回第6回第7回

 ■第2回 28.May.1998■
【5月28日 第2回】
16:20発が変更して16:10にキャセイ・パシフィック<CX533>は名古屋空港を出た。
今16:53、本当に旅立ちはじめたんだなぁ…。イマイチ実感がわかなかった。でも飛行機は走り出した。本当に行ってよかったのかなぁ、オレ。
18:00頃、機内食食う。ビーフ選ぶ。みんなよく「ドコソコの機内食はマズイ」とか言ってるけど、今の僕にはどーでもよい。というか味よくわからなかった。食欲あまりなかったし。
少し寝た。でも19:30頃には香港に着いてしまう。次の香港-ロンドン間ではよく寝たほうがよい。さっき機内から海を見た。そういえば海は最近見てなかった。すごい。ずーっと下のほうに雲が浮かび、そのまた下には夕日に輝く海面が見えた。
そして、僕は今日(明日)ロンドンいついたらどうするんだろう?と考えはじめた。アンディー(※)と連絡とれなかったら…。その前に入国審査にひっかかったら…!!
まあなるようになるさ、と考えたが目が冴えてる。緊張してるのか肩がいたい…。

第3回・5月28日へつづく…

※アンディー…飛騨高山で知り合ったロンドンっ子。同い年。ロンドンでは彼の家にちょっとの間居候させてもらうことになっていた。

 

 ■第3回 28.May.1998/HongKong■
【5月28日 第3回】
19:20(現地時間、日本は1時間遅れ)香港到着。民家やビルのすぐ真上を通るちょっと怖い空港でした(※)。ロンドン行きCX251は11:20発。3時間、いったいなにしてようか。この空港では飛行機から降りてバスで建物へ。ダットラやハイラックスなど空港内を日本車が走っている。なかには自転車でジャンボのすぐ脇を走ってゆくヤツもいる。あぶねーなぁ、ひくなよ。
そして今トランジットを通って待合室の喫煙所。タバコはここでしか吸えない。日本以外の国はタバコの吸う場所はかなりキビシク制限されているようだ。あたりまえなんだけどね。
いまここでは日本語はほとんど通じない。それも当たり前なんだけど、ちょっと怖い気がする。一応みんな人だから(?)変に気にする必要はないんだけど…なんか気になってしまうなぁ。
いろいろな言葉が飛び交う。英語、広東語(だと思う)、北京語(だと思う)、スペイン語(だと思う)、etc.。乗換えで待っている人々には色々な人種がいる。中国人の団体が壁際にズラーッとすわりみんなでいっせいにバナナ食べている。黒人のイスラム教信者の女性が床で寝ている。インド人(かな?)らしきおばあちゃんが隅っこに座っている。
白人のでぶ〜んとしたおじさま2人連れが香港で買ったお土産をカートいっぱいにして座ってる。東南アジア系の新婚さんらしき2人とおとうさんがモジモジしてる…見てるだけでも面白い。けど不安が湧いてくる。なにせオレは旅慣れてない。
両替した。\2,000がHK$106ってことは…HK$1=約\18?手数料は?よくわからん。オレは算数ニガテだった。
喫煙所から外をながめてたら夜の新宿みたいな雰囲気。いや、こりゃ新宿だ!まだ日本にいるような気分になるなぁ。けど空港内は人種のるつぼ。中東の方らしきお母さんが「ラン、ホイ、タン!」とか言って子供を走らせていた。
チンタオビール、へんな揚げギョーザ、コーヒー他買ったら残りHK$5.70。これっぽっちじゃなんにもできないや。ちょっと慌ててるぞ、落ち着かなきゃ!でも体が疲れてる。CX251に乗ったらねむろう。とにかく。

※1998年当時、香港空港はまだ街のど真ん中にあった。なんでも世界で一番着陸するのが難しい空港、だと言われてたとか。現在は別の島になって、ダウンタウンからずいぶん離れてしまった。

CX251 23:30頃出発。今度は外国人ばっかり(あたりまえか)。1人旅の人も多いようで、みんなムスーッとしてる。みなさん旅慣れしている様子、1人1人がそれぞれのペースでやっている。オレだけ1人で慌ててる…。
 斜め前の女の子2人連れが「地球の歩き方・イギリス」を見ながら入国カードを書いている。僕の隣の(白人の)おばちゃんはかなり旅のベテランらしく、機内グッズも揃えてるし、手際がよい。しかも機内食を食べるスピードといったら…!トイレに行く時なんか、彼女は一番奥に座っていたのだが、道を作るため僕が席をどこうとしたら、「座ってて!」と言い肘掛を踏み台にしながらオレをまたいでいった。なれてるというか、なんというか…。
 眠ることはできたが疲れがあまりとれてない。ちょっとバテてる。イミグレイションが心配だ。本当にオレは入国できるのか…?

第4回・5月29日へつづく…

 

 ■第4回 29.May.1998/London■
【5月29日 第4回】
AM5:30頃、ヒースロー空港到着。降りたのはよいが予想どうりイミグレーション通過にスゴイ時間を食う。黒人の審査官の人に薄笑いされながら、滞在期間、所持金、目的、なんやらかんやら聞かれてようやくハンコをもらった。初めに滞在予定3ヶ月とか言っちゃったから面倒くさいことに…。UKへの不法滞在が多いからなのか?そんなオレも長〜くいるつもり。ハンコもらえばこっちのもの、「6 months」と書いてある!
ANDYのアパートに辿り着くことができた。ここまでくるのに、もぅスッタモンダの大パニックでした。
空港で電話したら£1がすぐなくなり、テレホンカードを買ってきてようやくANDYに電話して、地下鉄に乗ってMANOR HOUSEへ行けと指示をもらい(“マナーハウスまでいくらですか”と英語で言ったつもりだったのに通じないから、手のひらに駅名書いて“ここに行きたいんです。いくら?”とやって切符購入)、駅着いたらまた電話してバスに乗れと。その253のバスに乗ろうとしたら「CLAPTON POUND?逆だよ」といわれて反対側にいって、253のバスで料金がわからないので£10出したらオツリがないからと乗車拒否され(荷物がデカイからとかカードがないからダメと言われたのかと思った)、メゲそうになってもう一度ANDYに電話して「£10!?そんな大きい金額出したらダメ!90p出してCLAPTON POUNDと言え!」と再度指示をもらい、ようやく乗車。しかし乗ったはいいが車内アナウンスはない、バス停にバス亭名書いてない、どこがどこやらわからず適当に降りたら案の定やっぱり手前で、もう一回のったらスゴイ混んでいて皆さんの迷惑になり(おじさんに“そこ座りなよ”といわれた)、やっとCLAPTON POUNDらしきバス停でANDYが立っているのを見つけようやく降車。ANDYに会ったとたんドバーッと日本語話しちゃいました。だってANDY日本語上手なんだもん。

ANDYのアパートはいちいちカッコイイ。青山アパートみたいで日本だったら人気ありそうな感じだけど、ANDY曰く「ここは低所得者層のいる一帯で、他国からの移住者が多い」のだそうだ。よくみれば白人よりは他国の人が多そう。ANDYのアパート(正確にはフラット)にもブラジル人とプエルトリカンが住んでいる。
29日はとても天気がよく庭でコーヒーをもらって一息ついた。しばらくANDYと日本の話(ANDYが帰国してから後の話)、経済の話(ほぼ聞いてるだけ)などしていたら段々寒くなってくる。日差しは強いけど、風は寒いところなんだとわかった。
しばらくしてからANDYと街の観光に出かける。万屋で「1-DAY TICKET」を買って、旧型2階建てバスに乗って出発!2階の一番前を陣取ってロンドンの町並みを見下ろしながらバスは進むが、(自分の)ボケがひどくロンドンにいる実感が今ひとつ湧かない。とにかくギターの弦を買いに楽器屋に行く。その後はパブに入って昼間からビール飲んでいい身分。これがロンドンの生活なのかなぁ。ところでビールのPAINTって意外と量が多く、いっぱい飲んだだけでかなり酔いがまわる。それを2杯、3杯、4杯と重ねていくうちにケッコーいい気分になってきた。
EVERGREENというPUBでENGLAND VS BELGIUMのサッカー(こっちではフットボール)観てる頃にはもーどうでもいいやって感じに。でも彼らはまだまだ飲む飲む!そういえばオレ飛行機の中で3時間睡眠、しかも4時ごろから起きてるんだった…!

第5回・5月30日へつづく…

 

 ■第5回 30.May.1998/London■
【5月30日 第5回】

 昨夜はAM1:00ぐらいまで飲んでて、今朝起きたのは11:00!普通なら寝すぎ!
 今夜ANDYの双子の姉さんと彼女のボーイフレンドが遊びに来るそうなので今夜はバーベキューにしようと昼から買い物に出かける。近所のTESCOという大型スーパーに行く。レジがベルとコンベアになっていて、店員さんも椅子に座りながらレジを打つ。そういえば日本のスーパーではなぜ皆立っているんでしょうね?しかしロンドンの安い肉は脂が多すぎる!しかも水マズイ!ゴミはメチャクチャ、衛生面もけっこうイイカゲン。これでいーの?という気がしてしまう。
 スーパーから帰って、まだ早いので近所のパブで飲む。長話になって体冷える。アパートに帰って囲碁大会。ANDYにコテンパンにやられる。バーベキューの準備をし(僕はチキンの下ごしらえ)、ANDYのお姉さんと彼氏が到着したらアパートの住人も一緒に庭先でちょっとしたディナーパーティー。英語がまだわからん僕はみんなの会話についていけず悔しい。僕の自主制作カセットテープを皆で聞いてたらアパート住人のMISHに「英語、ひっどい発音ねぇ」と怒られた。MISHは語学学校で先生をしているらしい。わかっちゃいるけどヘコむ。酒が思いのほか早く効いてきて眠くなり、ちょっと休むといってソファーに寝転がり早々とリタイア。そのまま朝まで寝ていた。

第6回・5月31日へつづく…

 

 ■第6回 31.May.1998/London■
【5月31日 第6回】  
昨夜はやく寝た(たおれた)せいもあって早くから目がさめる。ANDYの姉+ボーイフレンドを見送って、さてどうしよう?僕がLONDONの郊外に行ってはどうかと提案、ANDYの車で北の森へ。
中心からちょっとしか離れてないのにもう何もなくなった。しかも代表的なLONDONの地図に載ってる範囲内で。この街は東京に比べると随分小さいところだと解る。非常に興味深い。
もうすこし進んで牧場の中にあるパブへ。またしても飲む。おれ達毎日飲んでるぜ、飲みすぎやって!ANDYの身の上話を聞いて飲んでるので酔いも早いような…。
しかしイギリスの風景ってどうしてこうも一つ一つが絵になるんでしょうか。背の高い山や木が少ないからとても広く見える。面白い。
帰って横になってたら5時間も昼寝してしまった!ダラダラ生活は止めましょう!PETER(アパートの住人)のガールフレンドが遊びにきていて、夕ごはんをご馳走になる。さすがブラジル人、すっごい美味しいチャーハン(?)でした。THANK YOU BERY MUCH!
今夜チャーリー(※)の友人がLONDONに来る予定だったけど電話なし。夜にまたパブに行って、いっぱい飲んで帰る。

第7回・6月1日へつづく…

※チャーリー…飛騨高山であった友人。アンディーの親友であり、日本人の奥さんと結婚して高山に住んでいる。

 

 ■第7回 1.Jun.1998/London■
【6月1日 第7回】  
 今夜コーネリアスのライブがLONDONであるらしい。ANDYはすごく観にいきたがっている。
 VICTRIA STATIONにアイルランド行きバス+フェリーのチケットを買いに行く。VICTRIA駅前はトラベラーがすごく多い。ツーリストインフォメーションもここにあり、旅人で賑わう。チケットはずいぶん待ってやっと買えた。£28.00だから\5,600ぐらいでしょうか。高山から新宿行くバスぐらいかな?そんなに安くていいの?だってフェリーもついてるんでしょ?というわけで明日の夜8:00にVICTRIA STATIONからアイルランドに向けて出発予定。う〜ワクワクドキドキしてきた。
 その後ポストカード買ってそのへんブラブラしてまたパブに行く。店内に流れる音楽が良くて(OASISだった)2人歌を歌うただの酔っ払い。あぁ素晴らしきかなパブ・カルチャー!
いよいよアイルランドのPETER&ROSIEの家に電話(※)!僕が話せるはずないのでANDYに明日出発する時間と(明後日)到着する時間を伝えてもらう。俺ANDYいなかったら何にもできないのか!?僕もちょっとはしゃべったけど、PETERがすごくゆっくり話してくれて、なんか優しそうな人で安心。
 さていよいよコーネリアスのライブを観にいくことに。う、やっぱり日本人ばっかり。飛び交う日本語。1時間半ぐらい並んでも入れずにムカついてパブへ。そこでANDYとまたもや激論大会。飲んでばっかり。

第8回・6月2日へつづく…


※PETER&ROSIE(ピーターとロージー)…アイルランド東南部ウェックスフォード県に住む、友人の叔父と伯母。アイルランド滞在の初めにご厄介になることになっていた。

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